文系偏差値が理系偏差値より高く出る傾向にある
よく知恵袋の中でも「日大、東洋大の理系は偏差値が低い」といった質問や、回答が目につく。
確かに見た目の偏差値が低いので、学生のレベルまで低いといった見方をする人が少なからず存在するが、それは文系と理系の受験者層の違いによるものだということがわかる。
ここで、全国の文系学科と理系学科をひろってみたのでグラフと表をもとにご覧いただきたい。
学科の数は各種サイトの学科系統の一覧などからひろったものなので、精度的なものは置いといてざっくりとしたイメージでお考えいただきたい。
上の円グラフは全国の文系学科を国公立と私立に分類したもので、2020年現在で約私立文系学科が約2100で国立文系学科は約200存在する。
率にすると91:9の割合で私立文系の学科が圧倒的に多いということがわかる。
次に全国の文系学科を国公立大学と私立大学に分け、偏差値帯別に振り分けてみた。(偏差値は2019年度河合塾のものを使用)
グラフから読み取れることは、国公立文系学科はある程度の水準より下(45未満)は存在しなくなるのに対し、私立文系はものすごい学科数が存在することである。
文系全体の中における日東駒専はやはり55~60くらいの学科が多いことから、このグラフの中ではトップクラスの部類に入ることがわかる。
日東駒専文系は受験科目のパターンからこの中での争いになり、偏差値が高くなることがわかる。
一方日大・東洋大の理系はどうなのかというと……….
上のグラフは全国理系学科と医歯薬系学科を国公立と私立に振り分けたものである。
私立理系に対しての受験生のライバルはレベルの高い医歯薬系と一定水準以上の国立理系との争いとなる。
医歯薬系と国公立理系で全体の約43%を占めており、さらに私立理系の中でも早慶上理、(早稲田・慶應・上智・東京理科)、マーチ、関関同立といった強豪校がひしめいている。
日大や東洋大の理系はこういったメンバーと競い合うわけで、なかなかこの中で偏差値50以上をとるのは難しいことがわかる。
私立文系の標準的な科目は英語・国語・社会であり、私立理系は英語、数学・理科である。
英語は同じ土俵での戦いとなるが、文系の国語・社会と理系の数学・理科はそれぞれ文系・理系の中での戦いとなる。
そういった理由から文系と理系の偏差値を一口に語ることはできないし、「日大や東洋の理系って偏差値が低いよね」と言っている人を多く見かけるが、この仕組みがあるということを抑えておく必要がある。